
About Team SPOON
クロツラヘラサギが平和に舞う世界を人々が大切に思い、次の世代に受け継いでいく社会を実現していきます。

About Black-faced Spoonbill
クロツラヘラサギは名前の通り、黒い“ツラ(顔)”をもち、しゃもじのような“ヘラ”の形をしたクチバシを持つ大型の水鳥です。東アジア、主に台湾、韓国、中国、日本に飛来する絶滅危惧種の渡り鳥です。限られた環境下の湿地でしか生きられない水辺の鳥で、クロツラヘラサギが生息できる湿地は他の多くの種類の鳥の生息も可能にする「アンブレラ種」とも呼ばれています。彼らのトレードマークである“ヘラ”のようなクチバシとそれを使ってエサをとる姿で、台湾をはじめ東アジアの野鳥ファンの方々の心を掴んでいます。
クロツラヘラサギにはカラフルな足環が付けられている個体が約400羽います。
この足環は、色の組み合わせによって個体を識別できるようになっています。
幅の広い足環(文字の刻まれている足環)の色は、そのクロツラヘラサギがどこで足環をつけられたのかを表しています。

赤……韓国
青……台湾
黄……日本
緑……香港
白……ロシア

1997年- SAVE International設立、台湾での保護活動
クロツラヘラサギを守るため、1997年にRandy Hester氏とMarcia McNally氏が中心となりカルフォルニア大学バークレー校、台湾国立大学の教員、学生とともにSAVE Internationalというボランティア団体を立ち上げました。彼らの活動は台湾での湿地帯を対象地とした工業団地開発の阻止に始まり、現在では東アジアの台湾以外にも韓国、中国、日本といった国々での活動も行っています。
(参考:SAVE International http://saveinternational.org
SAVE International Facebook https://www.facebook.com/saveinternational)
2010年 – 福岡県のアイランドシティ地区とクロツラヘラサギ
SAVE Internationalの日本での活動は2010年に福岡大学の柴田久教授が客員研究員としてHester氏とMarcia氏が教鞭をとっていたカルフォルニア大学バークレー校を訪問したのをきっかけに始まりました。日本でのクロツラヘラサギの最大の飛来地である福岡では、博多湾に埋め立て事業であるアイランドシティが計画され、その一部として野鳥公園が計画されていましたが、それはクロツラヘラサギをはじめとした野鳥のための公園になっていませんでした。そこで、柴田教授とウェットランドフォーラム松本悟氏とSAVEは協働し、アイランドシティに整備が予定されている野鳥公園のデザインを行いクロツラヘラサギがアイランドシティ地区から完全に追い出されることを防ごうとしました。しかし、依然として福岡市は彼らのデザインを受け入れず、クロツラヘラサギの生息できる環境を持ち合わせていない野鳥公園を計画しています。
(参考:ウェットランドフォーラム http://www.wetlandforum.org)
2014年 – Team SPOON結成
クロツラヘラサギプロジェクトは2014年3月に東京工業大学土肥研究室のメンバーがPacific Rimコミュニティデザイン会議に参加するために台湾を訪問し、クロツラヘラサギをワークショップの一環として観察したことをきっかけとして始まりました。その後、2回の訪問と1回のワークショップを行いました。ワークショップでは、福岡大学柴田教授・九州産業大学山下教授、それぞれの先生方の研究室の所属する学生たちとともにクロツラヘラサギ・アイランドシティ・福岡の現状について話し合い、福岡市でクロツラヘラサギが周知されていないことが分かりました。これらの訪問・ワークショップを経て、クロツラヘラサギを守る活動を東京で始めようと思い、Team SPOONを結成し、活動しています。