アジア湿地シンポジウムに参加してきました
- spoonprd
- 2017年11月21日
- 読了時間: 4分
11/7から11/10までの間、佐賀県で開催されたアジア湿地シンポジウムに参加してきました。 アジア湿地シンポジウムとは、ラムサール条約の決議でも開催が支持されている地域的な国際湿地シンポジウムです。行政、NGO・NPO、専門家、民間企業、地域住民等の多様な主体がアジアの湿地の保全、持続可能な管理、賢明な利用に関するお互いの知識、知恵、実践的な経験を共有し、学ぶ機会を提供する場(フォーラム)です。(環境省より)
シンポジウムでは、アジア各地における人と湿地の関係について学ぶとともに、SPOONの活動について発表してきました。また、3日目にはフィールド視察ツアーもあり、ラムサール条約登録湿地の干潟にも行くことができました。
■SPOONの活動発表
発表では、SPOONができた2015年からの約2年半、クロツラを追いかけるように色々な場所に行き、今日報を読んでくださっているみなさんはもちろん、大変多くの方と出会い、SPOONの活動が広がってきたことを話しました。今回の発表では特に、今年6月に訪れた韓国での経験をとり上げて、そこで感じたこと、考えたこと、そしてそこから出てきたSPOONのVisionについて話しました。

発表の後、国も地域も様々のクロツラヘラサギが好きな方、湿地の保全に携わっている方がたくさんの方が話しかけてくれました。みなさんSPOONの活動に興味を持ってくださって、なんとこの日新たに6名の方がSPOONの仲間に加わりました。
■フィールド視察ツアー
シンポジウム3日目は、有明海沿岸の各地でツアーが行われました。ツアーは鹿島コース、荒尾コース、佐賀コースの3つのコースがあり、私は佐賀コースに参加してきました。 3つのコースいずれもラムサール条約登録湿地を巡ります。鹿島コースは鹿嶋市にある肥前鹿島干潟、荒尾コースでは、荒尾干潟、そして佐賀コースは東よか干潟です。東よか干潟は佐賀市の中心部から車で約30分にある干潟で、2015年にラムサール条約登録湿地となりました。ここは、クロツラヘラサギ、ズグロカモメ、ツクシガモなどの絶滅危惧種をはじめ、水鳥たちの国内有数の渡りの中継地、越冬地となっています。 この東よか干潟に行くということで、見れることを期待していたのがクロツラヘラサギです。

東よか干潟はシチメンソウが紅葉を迎えていて、上の写真のようにたくさんの人が紅葉を楽しんでいました。
干潟に着いてすぐにクロツラヘラサギを見ることができました! このように、くちばしを羽に突っ込んで休んでいました。

拡大してみた様子がこちら。

シチメンソウが生えている地面をよく見るとたくさんのカニがいました。佐賀ではこのカニを小さく砕いて調味料と一緒に発酵させる「ガニ漬」という料理にするそうです。ガイドをしてくださった方が教えてくれました。シチメンソウのすぐ脇にある柵にもたれかかってぼーっとカニやムツゴロウの動きを見て、ズクロカモメが大きなカニを苦労して食べているところを見て、ミヤコドリを見て…などとしているうちにあっという間に帰りの時間がきてしまいました。最後にもう一度クロツラヘラサギを見て帰ろうと、双眼鏡を覗いてみると、1時間前と同じように羽にくちばしを突っ込んで休んでいました。顔が見えないけど寝ているから仕方ないと思い、帰ろうと思ったとき、1羽のクロツラヘラサギが顔を見せてくれました。「顔が見えた!」と喜んでいると、そのクロツラヘラサギは2,3歩あるき、次の瞬間、飛び立ちました。まるでクロツラヘラサギも「またね」と挨拶してくれているようでした。

■アジア湿地シンポジウムを終えて
たくさんの方がSPOONに興味をもってくれ、「何かサポートしたい」、「一緒に何かできないか」と言ってくれ、メンバーになってくれました。干潟では、クロツラヘラサギにまた会うことができました。会議最終日には、会場に指輪をつけている方が増えていて、クロツラヘラサギを通した人の輪がアジアに広がっていくことを実感しています。 これから先、10年後、20年後の未来に、私たちの子どもたちもまたクロツラヘラサギをまた同じ場所で見られるよう、そしてクロツラヘラサギを想う人たちが未来でも仲良くできるように、SPOONが進んでいければ良いなと思っています。